物欲が爆破してミニチュア写真が撮影できるという「面白いレンズ」を買ってしました!
Canon TS-E 90mm F2.8、ティルトシフトレンズです。
「プロの建築写真家がビルなどをゆがめずに撮影するとき」や「物撮りするときに全体的にピントが合うようにする」ために使用するレンズで、先端が曲がったり上下方向にずれたりする変態レンズです。
本来は建物や物撮り用プロレンズですが、レンズをくねくね曲げることで通常ではありえないピント範囲を実現できるため、その特性を生かしてミニチュア写真の撮影にも使われています。
この椅子の写真は左上から右下に向けて直線的にピントが合っていますよね。通常のレンズではこのような表現は不可能ですが、ティルトレンズならレンズ先端をくねくねさせることで変なピント範囲が実現可能です。
この通常ではありえない違和感を利用してジオラマっぽく見せるというのがミニチュア写真というジャンル。5-10年くらい前に流行したものです。
最近はミニチュア写真あまり見かけないので今更感はありますが、癖強カメラマン吉田的にはこれはオモロイと思って今更チャレンジです。
ちなみに、SONY Eマウントには中華製のティルトレンズ50mmはありますがソニー純正はありません。今時はビルの歪みはフォトショップでデジタル的に処理できるためか、ニコン・キヤノンもミラーレス用のティルトシフトレンズは用意してません。
中華50mmティルトは4万円以下で買えるのですが、ミニチュア写真は高いところから見下ろすように撮影しないといけないので50mmではちょっと焦点距離足りないなと思って、90mmのキヤノン製(10万円くらい)を買いました。
CanonEFマウントなのでシグマのマウントコンバーターMC11(AFも使える)を経由してくっ付けてます。マニュアルレンズなのでAFが使える「MC11」ではなく中華の3000円くらいの安物マウントコンバーターでも良いんですが、それだと絞りが調整できません。
このレンズ、1990年代の物凄く古いマニュアルレンズですが、それでも絞りだけは無駄に電気的に制御していて、絞りリングを回して物理的に調整することができないんですよね。
名古屋空港で飛行機ミニチュア写真に挑戦
何を撮影しようかなと考えたんですが、連続で撮り鉄しまくったので違うジャンルがいいなぁと思って、飛行機を撮影してみることにしました。
名古屋駅の展望台から名古屋市内のビル群を撮影してもいいんですが、それでもおもろくないなぁっと思って飛行機にしました。野鳥はちょっと無理、明らかに。
名古屋空港に撮影に行きました。初展望デッキ撮影です。平日なのに5-10人くらいカメラマンがいて、意外に繁盛してました。
ちなみに中部国際空港か悩んだんですが、名古屋空港はボーディングブリッジがないので、その方がバエるかなぁっと思ってこっちにしました。
フィンガー何とかというこの特徴的な乗り口にFDAのカラフルな飛行機がたくさん接続されているのをイメージしたんですが、現実はそんなことはなくて、、、、お昼過ぎに行ったら1機もいませんでした。
名古屋空港は朝と夕方にしか便がないらしいです。知らんかった。
空港1Fに飯屋があったので味噌カツを食って時間をつぶしたりしつつ、PM4時頃に撮影したのがオレンジ君。離陸する直前です。
ミニチュア写真のコツは高いところから45度前後で、コントラストと彩度をMAXにするなんですが、展望デッキの高さが予想よりだいぶ低かったです。
思ったより見下ろした構図にできなくて、うーん微妙。明らかなミニチュア感はありませんねw
飛行機は遠くにいてミニチュア感が出ないため、手前の荷物運搬車を撮影。近ければ近いほど角度が付くので、これはミニカー感がでて良い感じ。
条件がピタッと来るといい感じのジオラマ感でて、これはオモロイっと思って、、、、中華50mmも即ぽちったのは内緒です。
燃料運搬車。うーん。
やっぱり角度重要ですね、これは荷物運搬車より角度が浅いのでミニチュア感が甘いです。
FDAは全ての機体の色が違います。これはシルバー。
これも撮影角度が甘いのでミニチュア感はそこまで強くはありません。さすがに展望デッキに巨大な脚立を立てるわけにも行きませんから、これが限界です。
90mmの画角もイマイチでした。ちょっと望遠過ぎ。この場所は50mmのが良かったかもしれません。
次にやってきたのはイエロー。手前に来てくれず、なぜか一番遠いとこに。
ついてません。
よく言われているのは、ミニチュア写真では空を写さないほうが良い(ジオラマに空はない)です。頭でっかち吉田君はそれを頭に叩き込んでから撮影に行ったんですが、この撮影角度では空を避けるのはできませんでした。
中途半端に空が写ってるのは努力の跡です。
トリミングしても良いんですが、ボケ感がなくなってしまうのと、この機体の場合は黄色なので写真全体的に黄色っぽくなってしまいます。
あと、そもそも角度が浅すぎるのでいくら空を切ったところでミニチュア感は強くはありませんでした。
ベストショット1
個人的にはこれがベストショット(1)です。ある程度、ジオラマ感もあり。奥に軍用機も写ってます。
ちょっと気に食わないのは隙間が多いというかゴチャゴチャ感が弱い。ミニチュア風だとゴチャゴチャしてた方がっぽい気もします。
アップにするとこんな感じですが、空があった方がまだいいかな?
ちなみにこのレンズ古いので色収差が酷いです。
彩度やコントラストを上げまくると盛大に緑色っぽくなってしまいます。
あと、離陸シーンと絡めたりもしてみましたが、縦方向にピント範囲を調整したせいで、なんか違和感が強すぎ写真になってしまいました。
癖の強い昭和レンズで撮影したんだろうなぁって写真。
ピン範囲は横が良いですね。縦はダメ、絶対。
後ろの飛行にピントをあわせるパターン。手前が大きくボケ過ぎていて、ただのピンボケ写真にしか見えません。イマイチです。
あとMFなのでピンが甘い写真が多いです。動きものでMF、しかもF2.8開放ですからね。難易度は高めです。
ベストショット2
ミニチュア写真に見えるかはきわどいですが、この写真も結構好きですね。空を写してはいけないという基本をぶち破っているので、そこをカバーするためにあえて明瞭度とカスミ除去をバンバンかけて不自然にしました。
普通の写真ならダメでしょうけどジオラマっぽいコンセプトならありじゃないかな
軍用機2機に小型機、黄色FDAで豪勢です。本当は飛んでるシーンがベストでしょうけど、この時は離陸ポイントがもっと左でした。
空をカットするなら1:1かな
ちょっと空入れた方が好きかな
コメント
コントラスト強すぎてなんかAIが生成した画像みたいに見える
彩度とコントラストを上げないとミニチュアっぽく見えないんですよね